9月入学について
こんにちは。
コロナ禍と呼ばれる状況が続いていますね。
私は試験目前ということもあり、3月下旬あたりから居住区から出ておりません。
物を考える時間が腐るほどあるので、このような形で発散させていただきます。
さて、昨日5月27日、政府・与党が9月入学の導入を見送る方向で調整に入りました。
見送りの理由は子供の心理的負担や家計の経済負担を検討し、デメリットがメリットを上回るとの見解。
導入賛成派の反発により了承には至りませんでしたが、見送りの方向は動かないようです。
コロナウイルスの感染拡大に伴う休校の延長を受け、学力格差の解消を目的に急浮上した9月入学の導入の可能性。
グローバルスタンダードへの転換というメリットもあり、世論調査では賛成派が33.3%、反対派が19.5%という盛り上がりを見せました。
しかし、22日に日本教育学会が反対する提言をまとめました。
反対する理由は主に以下の3つ。
①切り替えにかかるコストが大きすぎる
9月入学にした場合、3つのパターンが考えられます。しかしどのパターンを選んでも切り替える学年に大きな負担がかかります。
1.4倍切り上げ(来年入学予定の4月~8月生まれの子たちを全員今年入学させちゃう)のパターンをとると、今年の学年だけやけに多くなって受験や就活の競争が激化します。
かといって次の9月まで入学を待ってもらうパターンをとると、待機児童が大量発生してしまうわけです。
そのしわ寄せはすべて家計に回ると指摘されています。
②国際化の効果は限られる
日本と同じ4月入学の韓国やインドからは日本より多くの留学者が出ています。
日本の学校の国際化が進んでいないのを4月入学のせいにするのはちょっと違うんじゃないの?ということです。
③ほかにすべきことがある
要は学力格差をどうにかしたいわけです。
オンライン学習の仕組みの整備や家庭学習の支援などやることは山積みです。
9月入学にしたところで全てリセット元通りとはいかないのです。
私自身の見解を述べると、やはりここで急いで9月入学を導入するのは危ないと思います。
9月入学は過去にも何度か実施が検討されており、そのたびに問題が指摘されてとん挫していたテーマでもあります。
それをコロナに乗じてポンと始めてしまって、混乱しないことはないでしょう。
加えて現在までの授業日数不足は、先生や生徒たちには酷ですが休日の授業や家庭学習で補えるのではないかと考えます。
しかし、この9月入学の導入に対し、高校三年生達が主張した
「かけがえのない青春を取り戻すことができる」
このメリットを無視してはなりません。
5月20日、高野連が甲子園の中止を発表し、世間はざわつきました。
甲子園という大舞台に向けて努力してきた球児たちへの同情、これはかけがえのない青春を自粛して過ごした全国の学生たち全員に向けられるべきものなのではないでしょうか。
現在各地域で独自に高校野球を開催する方針が発表されております。
こうした環境下でも、青春時代を生きる学生たちが希望を持てるような良い知らせを提供するのが我々の責任であるように感じます。